システムの導入の際には効率的な利用を前提として業務プロセスやシステム機能の概要の要件を定義します。概要要件の定義とはベンダーがシステム開発をおこなう手助けとなるように必要な機能をまとめたものです。そうはいってはユーザー企業が定義できる要件には限界があるのであくまでも概要になります。この際に大きな意味をもつのが業務プロセスの要件定義です。
システムはあくまでも業務を補助するためのものですから、業務プロセス要件定義がしっかりとしていないと使いづらいものになってしまいます。たとえばシステムありきで業務を考えてしまうとどんな些細な業務でもデータ入力しておいたほうが記録にもなるし後々の分析にもつながるという思考になってしまいます。入力作業を不必要に増やすことは業務を滞らせる原因となるので注意が必要です。年間に一度しかないような業務についてはわざわざ組み込むより、エクセルで帳票を作って出力したほうが手軽でコストパフォーマンスも高い仕組みになります。
ベンダーによってはユーザー企業が業務プロセスをまとめたものを要求定義、それを受けてベンダーが機能などの仕様をまとめたものを要件定義と言って区別することもあります。また、ベンダーに提案を依頼する文書をRFPといいますが、パフォーマンスをあげるために変更したほうがいい機能や仕様は専門家であるベンダーに聞かなくてはわからないものです。ベンダーによりできることとやできないことに差があるので複数のベンダー企業に提案書と見積もりを提出してもらうようにつくるのがRFPになります。この内容が詳しいとベンダー企業から一目置かれることもあり優位に話を進めることも可能になります。